この仔猫と出会って、人生に影響が出ていると感じています。
今年2020年の5月ごろに、猫の親子を庭で見かけたところから始まりました。
親猫が1匹の仔猫を連れています。うちの庭で日向ぼっこをし、仔猫は親の周りを飛び跳ねていました。
うちの庭は手入れをしていなく、仔猫は駆け回ろうにも雑草がそれを阻み、自由に動けないでいます。そして仔猫は一匹。親一人子一人です。なんとも寂しい気持ちになりました。母子家庭で育った自分を投影してしまったのです。まぁ猫は基本的に母子家庭であるのですが。。。(しかし、後に母子家庭では無い仔猫たちにも遭遇します。)
こんな東京では遊ぶ場所も限られてるだろうし、親に纏わりついてはいますが、近く訪れるであろう親離れまでこの仔猫のため、庭の掃除と、仔猫が親離れするまでの間、ごはんの提供を決めたのです。
テラスに皿でキャットフードを置いておくと、いつの間にか無くなっています。その親子では無い猫たちも大勢来るようなのです。どうやらうちのテラスは、気がつかないうちに猫の通り道となっていたのでした。
やがて猫の親子が現れるようになり、昼前、夕方、夜中と何度もここを訪れるようになります。朝、僕は遅いものですから、先に勝手口に親子で来ては、ドアを叩くようになるのです。いつも初めに親猫が一口毒味をします。そして仔猫は満腹になるまで食べ続けます。僕はずっと食べるところを見ており、仔猫が食べ終わって、見守っていた親猫が食べ始めるまで、何度もお代わりを仔猫に与えました。親猫は少しだけ食べたり、食べなかったりで、仔猫を追いかけて、どこかへ行ってしまいます。
猫の親子を見て、母親の愛情を知るようになりました。ご飯をどうやって確保するのか教えているようです。人間を信用してはいけないと、いつも警戒していたのですが、僕とはそのうちに信頼関係が出来て、距離は少し縮んでいきます。
そして親離れ。。。仔猫を見なくなってしまい、母親猫もここに来なくなってしまった。
めまいを起こしながら必死に除草したり、殺風景な庭にオリーブやローズマリーを買い、隠れ家を作ったり、そして、近所に見つからぬように、コソコソと毎日、キャットフード買ってはテラスに置く日々を思い出します。
会えなくなってしまったけれど、仔猫が育って良かった。街を歩いてはどこかにいやしないかと、キョロキョロと路地を見回したりもしました。
ここは大勢の猫たちが来ますので、猫の親子を忘れていた秋に、ふとあの親猫がやって来ました。再会して前と同じ様にキャットフードを出します。仔猫はどうしたの?と聞いても、まぁ伝わっていないでしょう。
猫の世界は時々動きがあって、ここに来るメンバーは入れ替わります。ずっと変わらない猫もいるのですが。
その中に尻尾の殆どない、ボブテールの猫を発見。あの仔猫ではありませんか。
僕を見ては飛び跳ねて、どこかに行ってしまう。またしばらくして、顔を見にやってくる。キャットフードは食べる時もあれば、食べずに遊ぶだけの時もあります。
そんな先日のこと、その仔猫と親猫がうちで再会していたのを偶然に夜中見かけたのです。
僕は感動のあまりこの姿を記録しないとと、写真に収めました。
この日以来、またこの仔猫は日に何度もやって来ています。
仔猫のお陰で自堕落だった生活は一変し、様々なことが起こっていたのです。
庭もあれからずっと手入れし維持しています。この辺の話はまたいつか。
運命の仔猫と僕は今後も関わりを持ち続けることが出来るのでしょうか。
来年からはまた環境が変わっていくようにも思います。リモートでの生活も半分くらいになってしまいそうで、仔猫と一緒にいた時間も減ることになるでしょう。どうなっていくのか僕にはわかりません。